探偵社に依頼となると一番気になるのは調査料金だと思う。探偵社の調査料金には、元来、大まかな基準しかなかったといわれている。
かつては、例えば浮気調査を5日間頼まれ、3日で解決した場合でも、5日分の料金をもらって構わない、という暗黙の決まりのようなものが探偵の間に存在した。5日のところを3日で解決できたのは探偵の腕が良かった証拠で、2日分が探偵の「技術料」という考え方である。当時は依頼に関する細かな契約書などなく、ほとんどが口約束だった。それだけ、文字を必要としない信頼関係が両者の間にあったのだ。
しかしそのうち、口約束を守らずに、調査料金だけもらって、実際には調査をしないような悪い探偵がでてきた。そのため、口約束だけで依頼を受けるようでは、すぐに悪徳探偵と見られかねない。きちんとした料金規定を設けず、かつ公開していない探偵社は、いかがわしく思われても無理はない。
一般的に“高い”と思われる金額を提示したのでは依頼もやってこない時代でもある。とはいえ、どういう料金規定が正当なのか判断するための、探偵業界の基準はいまだに確立されていないのが実情である。つまり探偵の調査料金の相場はないに等しいのである。
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