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「 聞き込み調査の基礎 」 の項目一覧

聞き込み調査の方法
ボカシ調査
聞き込み調査時の観察力
聞き込み調査時の会話
会社への聞き込み調査
聞き込み調査の失敗
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聞き込み調査の方法

探偵の調査:聞き込み調査の基礎探偵の聞き込み調査の場合、まず架空のストーリーを作る。歴史がある町であれば、大学の研究員に扮し、この辺りの歴史について調べている、という話を設定するなど。

そして架空のストーリーができあがったら、聞き込みに向かう。対象は近隣の人たちだが、いきなり調査対象者宅の隣家を訪れるようなことはしない。やや遠巻きにして攻めていくのが探偵の常套手段である。

調査対象者が住宅地で一軒家であれば、半径200~300m外周にある家から聞き込みを始めるのが一般的だ。そこからほぼ渦巻き状に、調査対象者宅へ近づいていくのである。

そして探偵は、調査対象者についてストレートに聞くことはまずない。2~3軒隣あたりの話を聞きながら、「ところで、そのまた隣の家はどうでしたか。」というように、あくまでもこちらの興味対象は調査対象者宅にはない、という態度を装い会話を進める方法である。

そのように、遠巻きにして調査対象者本人以外の情報を徐々に吸収していくと、その土地に詳しくなっていく。ゆえに、いざ調査対象者に近づいた時も、聞き込みはスムーズにできるのだ。

ボカシ調査

探偵の聞き込み調査で、意外と大変なのが商店街での聞き込みである。商店というものは、誰もが入りやすい反面、各店の横の情報網はかなり緊密であり、下手に聞き込みをすると「よくわからないけど怪しい調査員みたいなのが来ているよ」という情報が周囲に筒抜けになる可能性が高いのである。

そこで生きてくるのが、「ボカシ調査」となる。たとえば、A青果店が調査対象者なら、別のB青果店が調査対象者のようにボカして聞き込みをする。つまり、本当の調査対象者のことをぼかしておいて、他の同業者について聞いた後で聞くようにする。

商店街・商業地域での探偵の聞き込み調査では、この同業者の存在がポイントとなるのだ。

聞き込み調査時の観察力

探偵の聞き込み調査においては巧みな話術も大切だが、最も必要とされるのは「観察力」である。例えば、相手の目の動き、表情、手の動き、身体全体の動作によって、相手の愛言の真偽を見抜く。

そのためには何気ない一瞬の動きも探偵は目に留めなければならない。積極的に嘘を言う人はいないとしても、知ったかぶりをする人は少なくない。聞き込みというと、話を聞くだけの仕事と思われるかもしれないが、むしろ、話す人を観察する(観て察する)ことのほうが探偵にとって重要なのである。

話のきっかけをつかむためにも、観察が大切である。玄関に入り、靴が多いのか少ないのか、あるいは、靴箱の上に何が置いてあるのかを観察した上で話しかける。

玄関先にあるものに感心したり、寄ってきた飼い犬や猫を褒めたりと、あらゆる事象が探偵にとって話のきっかけになるものだ。どこから話を切り出すか、これもまた探偵の聞き込み調査のうえで重要といえる。

聞き込み調査時の会話

探偵の聞き込み調査時において、本題の話を聞き出すために、出身地や趣味の話をして、話を盛り上げておくというのは一つの方法である。そのためには世間話的な話題はもちろん、話を掘り下げられるように、特に聞き込み対象者が決まっている場合には、探偵は入念な下調べをしておく。

しかし、そこで探偵にとって気をつけなければならないのは、趣味などの話に持っていくタイミングである。なるべく会話の最初のほうで、ネタをぶつけるのがのぞましい。いくら趣味の話は盛り上がるといっても、会話がまったくはずまないところで唐突にぶつけるのはよくない。警戒された挙げ句に"趣味"の話でご機嫌を取ろうとしたってそう簡単にはいかないのだ。一度閉ざされた相手の心はなかなか開かない。探偵はそうした人間の心理を十分頭に入れておく必要がある。

また、探偵自身のぺースを崩さずに話を進めていくためには、にわか仕込みの知識よりも、やはり自分の身についた知識で話したほうがいい。これは架空の設定づくりのために勉強するとしても、あまりにも探偵自身からかけ離れたネタを選んで苦労するより、どこかで自分の得意分野に引っ掛かるネタを探し出し、楽に学んだほうがいい。

会社への聞き込み調査

探偵の聞き込み先は一般の住宅や商店とは限らない。時には、仕事先にからむ聞き込み調査もある。仕事先といっても、いきなり本人が勤める会社には行かない。同業のライバル会杜、取引先、あるいは以前勤めていた会社(主に人事担当)など、やはり遠巻きに調査するのが一般的だ。

もちろんここでも探偵にとっては架空のストーリーが必要になる。結婚に関する調査の場合なら、むろん結婚話などは持ちださない。原則として、企業の昇進に関する調査をしている、などの設定をつくる。

ところで、企業というのは、雇用者に関する資料は豊富にもっている。住宅や商店と違い、そうした資料に突き当たるのみで調査を終えることも可能だ。しかし、本当の探偵であれば、資料に頼らない調査、つまりは尾行・張り込み・聞き込みによって得られた情報をもとに真実をつきとめるべきである。

聞き込み調査の失敗

探偵が聞き込み調査をする時に失敗しやすいのは、やはり調査対象者本人に近しい人物、近隣への聞き込みである。聞き込みした先で、調査対象者本人が現われてしまった、あるいは本人に出会ってしまったということがありうるからである。こういう時はとっさに架空の設定を作って早々に退散するしかない。

また、探偵が聞き込みする時に、必要以上に長居してしまうのもよくない。あまり長居して逆に質問攻めにされ、最後は身分証明書を出すハメに陥った探偵も少なくない。

探偵が長居をしないためには、そのように、「なぜ、どうして、」と頭に浮上した疑問をすかさず質問にして、タイミングよく相手にぶつけることが重要なのだ。誰が、どこで、いつ、なぜ、何を、どのように、いわゆる、5W1Hの6大質問原則を常に頭に入れておく。

探偵が話をしているうちに万が一怪しまれ、警戒された挙げ句に相手を怒らせた場合、これは丁重に謝る以外にない。どうしようもなければ逃げの一手しかない。急に携帯電話が入ったフリをして外に出るという方法も考えられる。

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